Parsleysage 和の美

田澤祐介 木でつくる器
2019年 9月21日(土)~10月8日(火) (期間中、水・木・金・定休日)12:00 ~19:00

久米真由美 秋の和菓子
2019年 9月28日(土)・29日(日) 12:00 ~19:00(2日間のみの限定です)

秋の一番は「Parsleysage 和の美」と題して、9月21日から10月8日迄の期間 は木工作家田澤祐介さんの木の器をご紹介します。9月28日と 29日は、田澤 祐介さんがつくる木の器で久米 真由美さんの秋の和菓子を楽しめるコラボレーション企画で2日間のみの冷茶と和菓子の限定セットをご用意いたします。

 

parsleysage 三上星美のコラム #2
和菓子と器

毎年9月は友人でもある和菓子の先生をしている 久米真由美さんに栗茶巾をつくってもらうことがここ数年のパセリセージの恒例になっています。 久米さんは私の年下の友人で、20年以上前だったか出会ったとき彼女は企業の第一線で海外を飛び 回り活躍している人でした。
私は長く勤めたライフスタイルを提案する企業を辞めた頃で、お互い何か新しいことを勉強をしたいとランドスケープデザインを学ぶ場所が私と久米さんのはじめての出会いでした。 忙しいのに休みを調整して学びに来てた久米さんは自分探しをしている最中で、その場所の出会いからずっと現在も友人関係が続いているのです。彼女が和菓子と出会うきっかけも私は横で見つめていた経緯がありました。 ある日一冊の本を私に見せてくれたのがことのはじまりでした。その本は猪本典子著の和菓子の本でした。その猪本典子さんとは、私の上司の友人で出張先のパリで一緒に一度だけディナーしたことがある方でした。パリに 住んでいた猪本さんが帰国後すぐに出版されたその和菓子の本は、パリで生活をされてたからか古典的なイメージを持つ和菓子を一変、色とりどりで小粋にコーディネートされ美しくスタイリングされた素敵な本を出版され てたのです。その本の美しい和菓子の数々に魅了された久米さんが私に自分がつくりたいと思うしっくりくるものを見つけたと少し興奮気味に語ってくれたあの頃のことが懐かしく思い出されます。ご縁があった方の本から 友人が将来の自分の道をみつけ、それからすぐに和菓子の師でもある宮澤先生のところへ弟子入りし和菓子の道へと修行、現在に繋がっていったのです。久米さんの真面目な取組み方が和菓子という日本の文化を伝えていく担い手として、師匠の勧めで自分のお教室を主宰する事になっていったのです。久米さんは伝統の和菓子を教える先生として自分に一番あった職業に就いたんだと思います。彼女がつくる和菓子は品が良く繊細で、そして日本の伝統の美を感じとれます。そんな久米さんが自分のつくる和菓子をのせてみたいと一目惚れしたお皿が木工作家の田澤祐介さんがつくる木のお皿なんです。 昨年の栗茶巾の時に、作家の田澤さんがパセリセージにいらしてくれました。その時に恒例になってる秋の和菓子のおもてなしの時に久米さんがつくる和菓子と供に作品をご紹介できないかとお願いしました。田澤さんは人 気の木工作家で最近では国外からの展示の依頼もあり、かなりハードなスケージュルの中、パセリセージでの展示を引き受けて下さったのです。以前、私も久米さんが所有している田澤さんの木でつくるお皿で和菓子の撮影 をした際に器に触れ、何とも言えない作家のこころのあったかい感覚を感じとることができる器だった事、そしてお皿の感触がこれが木の素材なのかとビックリする表面の器の薄さと繊細さ、軽量なのに重厚感がある仕上げ が記憶に残ってました。商品として作品に触れる機会が多い私は物に触れた時に感じることがあります。そこにつくりての心、形でない感覚というのでしょうか。田澤さんの器には、そんな感覚と素材に向き合う情熱のよう なものを感じたのです。田澤さんは木工を始める前は野山を歩きまわって自然の環境を調べる仕事をしていたそうです。日本の森を北は北海道から南は九州沖縄まで仕事で色々なところへ行かれたそうです。その後、木工を 学び家具制作やリペアの仕事を経て現在に至り常に木と関わりつづけてきた方です。木という自然素材は材料に限りある資源だからこそ、真摯に向かい合いあいながら制作している作品には無駄なものがないミニマムなデザ インとして美しく仕上がってます。久米さんの和菓子にも同じ感覚を感じとれます。田澤さんの器と久米さんがつくる和菓子はつくる物は違えど、そこに宿るつくりての姿勢を感じとることができるのです。和菓子と器、お互いの作品が引立つ和の美をお楽しみ頂ければと秋の季節の花とともにパセリセージでご紹介します。

パセリセージ 三上 星美

 

 

 


 

敷板蒔地漆
濃錫錆 大 18cm ×25.5cm ¥13,800 税抜
錆白溜 中 15cm ×21.2cm ¥9,500 税抜
薄白 中 15cm ×21.2cm ¥9,200 税抜
濃錫錆 中 15cm ×21.2cm ¥9,800 税抜
錆白溜 小 10.5cm ×15cm ¥4,800 税抜
薄白 小 10.5cm ×15cm ¥4,600 税抜
濃錫錆 小 10.5cm ×15cm ¥5,000 税抜

 

 


イノモト和菓子帖 猪本典子 著
(久米さん所有の本)

 

 


コーヒーキャニスター ナラ材 ¥10,300 税抜
珈琲杓 ナラ材 ¥4,700 税抜
白銀比隅切長方皿 サクラ材オイル ¥9,000 税抜


隅切重箱 クリ ガラス塗料 / 蒔地漆 ¥40,000 税抜
片口 蒔地漆 濃錫錆 ¥19,000 税抜
平丸猪口 蒔地漆 濃錫錆 各¥6,500 税抜

 

 

田澤 祐介 森想木工舎

1993 新潟大学農学部林学科卒業。
2002 岐阜県高山市の森林たくみ塾に入塾。
2004 インテリアショップ付属の家具工房 での製作業務、
中古北欧家具を扱う
店での修理・ 接客業務に従事。
2006 フォレストファクトリー木工舎開設 。
2010 森想木工舎としての活動を開始。

 

 

 

久米 真由美

長年日本料理を学び、シンプルな美味しさ、
ひと手間をかける、季節感を KEY に、 和菓子にも興味を抱く。
和菓子のあとりえ宮澤裕通先生のもとで和菓子作りを一から学び、
現在 和菓子教室「和菓子 のひより」を開催。
受け継がれた上品な 甘味が感動を呼ぶ。