THE SWEET SWEATSHOP わいないきょうことその仲間たち

2022年10月8日(土)〜10月16日(日12:00〜19:00
(この期間のみ12日が定休になり期間中は連日営業)

今、物作りと創造の力を借りて私たちにできること。わいないきょうこと前を向く仲間達の展覧会。10月10日予約制で黒崎平のライブがあります。期間中の限定日においてパセリセージ秋の特別カフェもあり、食べて癒されて、たまには自分へのご褒美ハードワーカーズの為に、美味しいもの、甘いものが盛り沢山です。

10月のパセリセージは、『THE SWEET SWEATSHOP 』として、わいないきょうこが英国生活で出会った次世代の作家達とのコラボで作品作りを始動する第一弾です。ロンドンのアトリエでアシスタントしてくれた3名の若きアーティスト達、飯田萌奈、小林ななこ、Yui Takanoそして秋田へアトリエを移して出会った新進のシンガーソングライター黒崎平とライブ(10/10予約制)とわいないきょうこが主催するやぶ前フードメーカーのPOP UP SHOP(10/10〜)をパセリセージでご紹介します。

 

開催にあたり、わいないきょうこさんからメッセージをもらいました。

母が永眠。2022年7月31日午前3時半。90年の人生の幕を閉じた。彼女がオシャレだったこと。話好きだったこと。そんなことを思い出せるようになったのがほんの数日前。もう10年近く前に飲みすぎた睡眠導入剤の後遺症で精神がこわれてしまった。その異常に気がつくのが遅かった。それが始まっていたのは私の旦那クスハラエイジの亡くなったときと重なっていて私自身クラクラのままどちらを向いているのか?も怪しいときでした。おかしくなっていく母。それを支えきれずにいる父。横浜に戻ってその現実に翻弄されつつ、自分の生きていく道を模索し始めていました。英国を軸足にしながらすこしづつ日本にいる滞在時間も増えて母は介護施設、父は独居老人ということで見守りとデイサービスのち介護施設に支えられて4年前に父永眠…………

ロシア、ウクライナでの戦争。コロナに追い打ちをかけるように海外に容易に飛べなくなった空。異常気象。スコールがあたり前になった日本。食物がおかしなことになっている。オイルが優しいエネルギーではなくなって人も物も運ぶのに何倍ものキャッシュが必要になった。たしかにどこか今までの日常とは違う何かが始まっていることを一人一人の人間が認識して前を向いていくことのみが真実を歩むことなのではないか?と思うところです。30年近くの英国生活で出会った次世代の作家達とのコラボを中心としてこれからの作品作りは始動し始めます。優しいの隣にある不安。美しいのとなりにある怖いもの。ハードワークの向こうにある穏やかな佇まい。Sweet なブラック企業。と名付けた意味の向こうに微妙なバランスで生きていかなくてはいけない今の私たちの暮らしがあります。ずっと前から私の手の中にあった害獣と言う名にされてしまった獣達。その彼らの皮を革に。そのスキン(肌)にプリントや刺繍、ペイントを施す作業をあえてTattooと呼ぶことに。そして今目の前にある素材を並び替えることでジョイのある暮らしの道具を作ることに。前を向いて生きること。物作りに至るまでのストーリーがこの地球から生まれたことであることを確認するように。私たちのメッセージをキャッチしてください。そしてこの動きも受け止めてくれるパセリセージに感謝を込めて。

わいないきょうこ

 

わいないきょうこさんが次世代とクリエイターとの出会いを語ってくれました。


飯田萌奈 
2014年、私のパートナーの他界を機にもう一度もの作りに自分の暮らしを戻すことをスタートさせた時代でした。自宅にスタジオを作らずに南ロンドンのクラパムに多様なクリエーターのいるシェアスタジオを見つけ元隣人の娘のScarlette O’Sullivan を筆頭にSweatshop状態のSols studio がスタートしました。

そしてこの時に現れた女子のひとりが飯田モナでした。ぼんやりさんなのに我が道をいく判断は時々目を見張るものがありました。日本に帰国後は舞台美術的な世界に行くのか?と思いきや私のスタジオで作り続けていた鞄の世界にさらに入り込み旦那さんは革を中心とした職人さん。誰よりも私の物作りの世界を続けてくれているのでした。目に入れても痛くない私のダフネこと娘のユニ。何よりもこの親子モナとユニ。2人とも我が道をいくのキャラ。そのユニが何よりのインスピレーション。

 


小林ななこ
チェルシーアートカレッジで結衣たちの仲間として登場したのがななこちゃんでした。
線が細いのかと思いきやじっくりもの作りに挑む姿はなかなかのハードワーカーです。
インドのカルカッタで行われたテキスタイルイベントSUTRAにも参加。

彼女の施した自然から抽出したモチーフをこの鹿革にしたものから受けたイメージがTattooでした。

 


Yui Takano

結衣の実家熊本での震災が2016年。チェルシーアートスクールのニット科に在籍中でした。私の家に下宿していた彼女が泣きながら実家に帰ると話していたのでした。ところがお父さんから連絡が入りただ帰ってきても意味がないと。きちんと卒業して帰って来るようにと。そして学校からもこの被災を受けた家族だということで学費の免除を申し出てくれました。元気をロンドンから運ぶのだと学校のカンティーンでのどら焼き販売。その売り上げを元手に熊本でイベントを開催。絵本のお店を営むお母さんともこのプロジェクトの繋いだご縁で今も深くお付き合いをして頂いています。

 


黒崎平

やぶ前を始めた2020年3月。改装リノベーションの準備でまずはいらない荷物の運び出し。障子の張り替え。先代のタバコの脂をガンガン拭き掃除。この作業を買って出てくれた秋田国際教養大の若き学生くんの1人がこの黒崎平。若き青年のはずが私と同じ世界観でものを話し、私世代の音楽をこよなく愛して日常にしていた。埃まみれの1日の終わりに近所の温泉に汗を流しに行って、その帰り道にまるで沈んでいく太陽を追いかけるようにドライブをした。同じ頃やぶ前に現れたベルリンからのインターンと町の酒蔵「春霞」でバイトを決めた平と家族のように暮らしたえげつない積雪の2020年の冬だった。それが今やこのやぶ前の歴史であり、彼の発表した処女作のCDにはその世界が詰まっている。つまりは私の日常、風景でもある彼との音がどうもパセリセージにやってくるという話。

2022年10月10日(月)黒崎平『かめれおん』ライブ https://cieldesign.co.jp/?p=11518

 

 

参加してくれるアーティストのプロフィール

 


飯田萌奈
 
東京造形大学室内建築学科 卒業
ロンドン留学中、和井内京子のスタジオでアシスタントを勤める。
現在3歳娘の成長を見守りながら、鞄・小物を制作している。
小林ななこ

文化学園大学で染織を学んだ後、ロンドン芸術大学チェルシーカレッジオブアーツのテキスタイルデザインコースを卒業。
表現方法は、テキスタイル・セラミック・イラストなど幅広く、独自の技法で自由に制作する。


Yui Takano
子供の時に母親の営む絵本屋で絵を描いたり絵本を読んで、物語性のある絵に影響を受けた。高校卒業後は、地元の総合大学の美術科を専攻後、ロンドン芸術大学でテキスタイルデザインを専攻。卒業後は子供服の会社でデザイナーを務めながら個人活動を続けている。プリントデザイン、イラスト、切り絵、ストップモーションアニメーションなど、色々な表現で制作している。


黒崎平
長野県出身、秋田県を拠点に活動するアーティスト。

大学進学を機に秋田へ。その後秋田の暮らしに魅了され続け、移住を決意。ゆったりと、そして、力強く流れていく日常は、ないものばかりを数える私に、立ち止まって味わう豊かさを教えてくれる。喧騒に巻かれるこの時代だからこそ「いぶりがっこのような音楽を」と私は思う。音楽家だからではなく、生かされているからこそ生まれる音楽を。溢れて流れていってしまう愛しい日々に、音楽という栞を挟み込めたなら。そんな妄想を抱き締めながら今日も歌う。最新アルバム「かめれおん」が2022.03.21に発売。

 

 

わいないきょうこ
横浜市出身。桑沢デザイン研究所写真研究課卒。日本でバッグデザイナーとしてそのキャリアをスタート、活動拠点をロンドンに移した後は、内外 問わず様々な企業やデザイナーとのコラボ レーションを通じ、バッグを主軸にファッショ ン小物やインテリア・オブジェなどを制作。また舞台、映画などのコスチュームデザインも担当。 現在はブータン王立タラヤナ財団クリエイ ティブアドバイザーなど続けながら、ロンドンのスタジオを母方のルーツ秋田美郷町に移し、町の伝統工芸品を世界の暮らしに伝えるためのデザインラボ北のくらし研究所を始めた。